kedzkiestの日記

普段の発見や開発の進捗について書いていきます。

CAPCOMオープンカンファレンス RE:2022に参加してきました!

大阪府梅田クリスタルホールにて2022年9月30日に、CAPCOMの開催するオープンカンファレンスに参加してきたため、忘れないうちに感想を残しておきます。

はじめに

今回のイベントでは全部で21個のコンテンツがあり、どの順番で見ていこうか迷ってしまいました。どんなコンテンツがあるのかは公式サイトからご確認下さい。

感染防止対策で2時間ごとに参加者が入れ替わるため、時間内にちょうど回りきれるか心配でしたが、イベントが終わってみると意外とちょうどいい時間だと感じました。いくつかの体験型コンテンツには参加できませんでしたが、横から見ているだけでも楽しいですし、コンセプトも理解できました。

21個すべてのコンテンツに対する感想を書いていると長くなってしまうので、個人的に面白い・勉強になると感じたトップ3のコンテンツに絞って紹介したいと思います。

見た目と違う?当たり判定だけの世界

会場ポスター

このコンテンツでは当たり判定という奥の深いテーマのもと、バイオハザード ヴィレッジを例に当たり判定のパターンや、ゲームを成立させるための工夫が紹介されていました。

抽象的な当たり判定のパターンをいくつか用意し、個別の事例にそのどれかをあてはめるというのは、今まで私が思いつかなかった新たなアイデアでした。この考え方を採用することにより、元となるスクリプトがあれば以降はパラメータを調節するだけでよくなります。

私が普段ゲーム開発に使用しているUnityでは、当たり判定を実現したいときは基本的にコライダーと呼ばれるコンポーネントを使用しますが、球やカプセル、メッシュといったように基本的な形状はすでに用意されていますから、抽象的な当たり判定のパターンがある程度存在しているとも言えます。しかし、このコンテンツで紹介されているような目的ごとに分けられた当たり判定というのは、単に形状による抽象化よりもレベルが高いと感じました。

また、このコンテンツの名前にもなっている「見た目と違う?」という部分に関してですが、快適なゲーム体験のためにはいつでも見た目通りに判定を作るのではなく、時には見た目通りではない・誇張した判定も作られているということでした。プレイヤーに納得してもらうために、なるべく見た目通りの判定を作るべきだと考えていた私にとっては、それが有効な場面もあるのか、と考えさせられるコンテンツでした。

ゲーム体験とホラー体験を両立する敵AI製作

会場ポスター

このコンテンツではバイオハザード ヴィレッジを例に、「怖いけど簡単なゲーム」をどのように実現したのかが紹介されていました。

ポスターを見ていて驚いたのは、プログラマひとりでゲーム体験とホラー体験の両立を構想から担当したことです。もちろんゲームデザイナーなど他にも欠かせないメンバーがあったことと思いますが、それでも自分がプログラマの立場だったら、ただコードを書くだけでなくゲームロジックの分解など、ある種企画のようなこともこなせるのか疑問に感じました。

また、視覚表現だけに頼らず、振る舞いによってもホラーを演出するというのは、アーティストの手を借りずにホラー体験を深められるという意味で、メンバーの負担を分散できる良い手段であると思います。チーム開発において自分がプログラマーをしているとき、「それはアーティストとかサウンドの仕事だから」と割り切ることをせず、自分にもできることがないか考えるきっかけとなりました。

敵の意思決定のためのシステムとして何が使われているのかは分かりませんでしたが(例えばFSM、ビヘイビアツリーなど)、ゲームの難易度や集団でいるかによって思考を切り替え、時にパラメータだけでなく選択可能な行動に制約を加えて全体の難度調節を行うというアイデアは個人製作でも活かせそうです。

あらゆる設定をカスタマイズ!チェックプレイのための「DIP」機能

会場ポスター

このコンテンツではモンスターハンターライズ:サンブレイクを例に、ゲームを起動しながらパラメータの調整や仕様変更ができる、デバッグ機能の体験ができました。

この機能のすごいところは、何かを調整・修正するときに高速に試行が繰り返せることです。ゲーム開発経験者ならこのありがたみが分かるはず・・!

ゲームを起動しながらパラメータを変更したりフラグのON・OFFを切り替えたいシチュエーションは多々あり、Unityでやる場合はSerializeFieldを使ってインスペクターから変更するか、ボタンやスライダーのようなUIを使用してゲーム画面から変更するなどの選択肢があります。今回体験したようにゲーム内UIでデバッグできるようにする場合は、画面を作るために最初だけコストがかかりますが、その後の開発は快適に行えるようになると思います。

このように包括的なデバッグ機能を体験してみて想像以上に便利に感じたため、今後ある程度規模の大きいプロジェクトを作ったり参加するときには似たような機能を導入してみようと思います。ゲームの中身に貢献するだけでなく、開発のプロセスの方にも貢献できるプログラマーでありたいですね。

おわりに

あっという間に終わってしまいましたが、楽しくて勉強にもなる最高のイベントでした!参加者は学生さんが多い印象でしたが、私が参加した時間帯が9時~11時ということもあり、ちょうどいい時間だったのかもしれません。私の大学では10月4日から3学期が始まるため、夏休み最後の良い思い出になりました。


余談

私は大阪の梅田クリスタルホールで開催される方に当選したため、福島県から2年ぶりくらいに飛行機に乗って現地に向かいました。前日の29日の14時ごろに伊丹空港に着き、30日の17時ごろに帰りの飛行機が出発するため、イベントを除いた空き時間で梅田を観光できました。人生初の大阪を存分に満喫してきました!(普段出不精の私はSweatcoinの歩数表示が1000歩以下のことがよくあるのですが、大阪にいた2日間はどちらも2万歩越え!当然筋肉痛になりました。)

お好み焼き。エビとイカと豚肉入り。
甘味処で頂いたあんみつ。つきたての餅を偶然いただけた。
居酒屋の串揚げとたこ焼き。ウーロン茶を添えて。

また、イベント会場のオープンを待っている間に新しい友だちができました!1つ年下の地元の方で、私と同じく普段からゲームを制作されているようです。彼のおかげで待ち時間を楽しく過ごせましたし、イベントを一緒に回って知見を共有できました。さらに、イベント終了後は梅田の街を案内していただきました!

現地でできた友達との昼食。

偶然のめぐり合わせに感謝するとともに、参加を申し込んでよかったと思わせてくれた彼にお礼をお伝えします。ありがとうございました!