はじめに
Unityでゲームやカットシーンを作っているとき、ただ環境の中にキャラクターを置くだけでは、ライティングのせいで魅力的に見えないことがあります。
今回は3点ライティングと呼ばれる手法を使い、キャラクターを美しく照らせるような工夫をしてみました。
3点ライティングとは?
3点ライティングの考え方自体は様々なブログ・記事で紹介されているため、ここでは簡単に説明します。
3点ライティングはその名の通り3つの光源で対象を照らす手法です。3つの光源はそれぞれキーライト、フィルライト、バックライトと呼ばれ、別々の役割を持ちます。
キーライト
キーライトはキャラクターから見て右斜め45度あるいは左斜め45度の位置に設置し、また高さはキャラクターよりもやや高い位置にするのが一般的です。
キーライトは対象を照らすためのメインとなるライトで、表面の影や質感を強調するために使われます。
フィルライト
フィルライトは同じくキャラクターの前面かつキーライトの向かいに設置し、高さはキーライトよりも低い位置にします。
フィルライトはキーライトによってできた影を和らげ、ライティングのムラを減らすために使われます。
バックライト
バックライトはキャラクターの後ろ側かつキーライトから見たキャラクターの真裏に設置します。
キーライトやフィルライトとは違い、明るさを追加するのではなく輪郭を際立たせる目的で使われます。
以上の説明はすべてキャラクターが正面を向いており、さらに3つの光源以外に光源がないことを想定しているため、キャラクターの向きや環境光などにより3点ライティングのセットアップは変わってきます。
詳しくは下のサイトで解説されていますので、そちらをご覧ください。
lightingandgadgets.com
なぜ3点ライティングを採用するの?
3点ライティングでは異なる角度から複数のライトを当てているため、対象の立体感を強調することができます。
以下はUnityでキャラクターを照らす際に、ディレクショナルライトだけを使う場合とポイントライトによる3点ライティングを使う場合の比較画像です。
環境・使用アセット
OS:Windows 11, version 22H2
仮想環境:Unity 2021.3.14f1 Built-in RP
キャラクターの3Dモデル
assetstore.unity.com
街の3Dモデル
assetstore.unity.com
おわりに
Unityでポイントライトを使った3点ライティングを実現することでそのメリットを実感できました。ライティングで困った際には、まず3点ライティングをベースに考えてみても良さそうです。
とはいえ、対象の顔に影が差すほうが効果的な場面もあると思うので、目的に応じてライティングを使い分けましょう!